歌手「夏川 玲」の日常を、気取らず気ままに書き綴った日記です。

MedET-Theatre を終えて感じたこと。(長文)
NPO法人日本情動療法協会(JADET)さんが開催した、
記念すべき世界初の試みとなる第1回目のMedET-Theatreに出演させてもらった。
(11月23日 新橋「ばらの園」 12月3日 仙台「富沢病院」 
4日 レストラン「パリンカ」2公演)
レストランパリンカでの公演は、私とピアニストの斎藤美香りんが、
これまで続けて来た仙台公演と、MedET-Theatreを合体させたものだ。
パリンカでの公演は、一般の方にも活動を広く知ってもらう意味合いがあった。

超高齢化社会を迎えて、誰もが「認知症」になる可能性がある訳だが、
JADETさんが発売したばかりの本を頂戴し、
認知症は怖くない
公演の後に開催された講義にも出席させてもらい、
これまでの認知症への認識が少し変わった気がする。

簡単に説明するのは難しいのだが、
JADETさんは、「認知症になることによって、失われる機能と残される機能があり、
今の医療のあり方は、失われる機能だけを数えて、
(検査の結果では、人の顔がわからなくなったり、数字がわからなくなっていても、
人間としての情動は豊かに残されている方が多いとの事なのだ。)
残されている、「人として大切な機能」を疎かにしてしまっているのではないか。」という、
問題提起をしているのだ。

そして、医者と役者が数年間に渡ってタッグを組み、
残された情動を刺激することで症状が改善されるという、
確かなデータを得て発表したというわけだ。

認知症の症状が統合失調症(以前は精神分裂症と呼ばれていた。)に似ていることから、
現在は同じ薬を飲ませることで、症状を抑えるのが一般的だが、
それは、残された機能をも失わせる事となり、
いわば「生ける屍」を量産しているに過ぎないというのだ。
薬物を使用しない慮法としての「情動療法」を提唱している藤井先生の論文は、
すでにアメリカでは多く取り上げられ始めているそうだ。

統合失調症患者と同じ薬を飲ませなくても、
適切な対処をすることで、患者も人間らしい老後を送ることが出来て、
介護する方もやりがいを感じられる・・・。
こんな考えを持っている先生のいる施設で暮らせる老人は幸せだな。

富沢病院で介護をしている職員の方が、
パリンカに両親を連れて見に来てくれた。
前日の公演の感想も含めて色々お話させてもらったが、
富沢病院では、「職員が大いなるやりがいを感じられるから、
若い職員が多い。」と聞いて、なんて素晴らしいのだろうと感動した。
確かに職員の方々がとても元気で明るいのは印象的だった。

表面的な知能が低くなっていることから、
お遊戯をさせたり、簡単な遊びをさせることが多いが、
長く生きてきた「一人の人間」として尊敬し、
子供だましではない本気をお見せすることで、
全く反応が無かった老人が顔を上げたり、手を叩いたり、時には言葉を発したり、
一緒に歌ったりしてくれる。
素人芸では反応が無い人でも反応していたと、
前述の職員さんが驚きを持って語ってくれた。

日ごろは施設で暮らす老人と、その家族に並んで座ってもらい、
ステージを見てもらう。
もう一緒に思い出は作れないと思っている家族に、
楽しい共通の思い出を作ってもらうのもこの公演の目的の一つだ。
(施設でしか暮らせない老人を連れて見に行けるステージなど無い。)
自分の顔もわからない老人が、手を叩いたり歌ったりする姿を見て、
家族が驚いているのが、ステージ上から見て取れる。

もちろん、患者本人に情動療法としての効果もある。

何より私が驚いたのは、喜劇を見て声を出して笑っている家族の様子を、
ジーっと見つめている患者の姿が多くあったことだ。
患者は症状が出てからは、家族に疎まれたり叱られたりすることが多くなり、
家族の笑った顔を見ることが無くなるという。
笑っている家族を見る喜びが、患者に悪い影響を与えるはずが無い。

もちろん患者によっては、全く効果が無い場合もあるだろう。
しかしだ、例え効かなくても薬と違って副作用が全く無いからね。
というわけで、せっかく本もいただいて藤井先生の講義も受けたので、
情動療法士3級の試験を受けてみたなり♪
どうやら、優秀な?成績で合格したみたい。

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仙台公演(2日間3公演)。
ピアニストの斎藤美香りんと続けてきた仙台でのコンサートも、
早いもので12年目を迎えた。
池袋のライオンで共演者として出会った我々だが、
私の父が宮城の塩釜出身、美香りんが仙台出身ということで、
「いつか仙台でライブが出来たら良いね!」と話していて、
実現するまでに数年かかった。

でも、実現してからは東京から一緒に来てくださる方の支えがあり、
12年も続けることが出来ている。

***

人間は縁だ。
仙台でのコンサートを見に来てくれた美香りんの同級生の、
前田有作さんが、「玲さんは芝居も出来ると思うよ。」と言ってくれたのがきっかけとなり、
2年前に有作さんとの二人芝居、「リタと大学教授」で主演をさせてもらった。

二人よりもちょっと年上の私が「初めて」の経験をしたんだ。
君たちも「初めての経験をしたまえ!」ということで、
初めて返しをした。
私が芝居に初挑戦した翌年にあたる去年、
「初めて返し!」として、役者である有作さんに歌ってもらうことになった。

***

有作さんは自身でカンツォーネを訳詩して、見事に歌ってくれた。

「俺も初めての経験をしたんだから、今度は美香が役者をやるっていうのはどう?」
初めて返しが飛び火した。
ピアニストの美香りんが、芝居をやるという・・・・・。
誰もが、ほとんど身内だけの仙台公演での余興のような芝居を予想していたのに。

***

東京と仙台で4公演も開催することになってしまった。


***

仙台にはイギリスからの視察の方が来るという。

***

どうなる我々!!







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