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仙台富沢病院特設ステージでのコンサート

覚書を含むので長文になりますがお許しください。

***

私はNPO法人日本演劇情動療法協会2級情動療法士なのだが・・・・。
この活動は主に仙台で行われていて、今はまだ
東京ではこの先1級を取得するための勉強が出来そうにない。
良い機会なので、前日に仙台入りして実際のセッション
(情動療法が患者に行われているところ)を見学させてもらうことにした。

セッションの後、療法士と医師のミーティングにも参加して、
大好きな藤井先生とお話をさせてもらった。
藤井先生はお医者さんにしておくにはもったいない?キャラクターで、
いつも話しに引き込まれてしまう。
私が認知症になったら、藤井先生に診て欲しい!(私の方が年下だけど。)

***
翌日は仙台富沢病院特設会場にて、メデットシアターが開催された。
昨日のミーティング時には、60数名の観覧希望者がいると聞いていたが、
その後も申し込みは増え続け、幕を開けてみたら立ち見を含め、
100名近い方が来てくださった。

この春に山形厚生病院でも同じプログラムでのコンサートを開催したが、
今回のお客様はその時よりも若干症状が緩やかな、
デイケアで通っている患者さんとその家族を中心だ。

先ずは俳優前田有作さんによる朗読。
お客様の中には、日頃演劇情動療法を受けている方もいるが、
日頃のラフな格好とは違い、ちゃんとスーツを着た前田さんの朗読を、
セッションの部屋とは違う大きな特設会場で、家族と並んで聞くのだ。
また大きく違うのは、ピアニストの斎藤美香さんが朗読に合ったBGMを
生演奏で奏でていること。

すると、いわゆる「認知症」の老人が朗読を聞き、涙を流すのだ。
号泣する人さえいる。
その様子を横で家族が見つめる。
このライブの重要な目的の一つが、家族の皆さんに、
「目の前にいる老人は、認知症になっても『情動』の部分は残され、悲しみや喜びを共感することが出来、
こんな風に涙を流す、人間らしい存在なのだ。」という事を実感してもらうことにある。

そして斎藤美香さんのピアノソロ演奏。
演目は全てクラシックなのだが、どの会場でもピアノに合わせて、
フランス語で朗々と歌い上げる患者さんがいる。
認知症で入院している老人が、フランス語で歌うんだ。
こんな事を目の当たりにするたびに、失われた物を嘆くよりも、
残っている物を活かす医療・・・という藤井先生の信念が胸に突き刺さる。

そして私の歌。
指定されたのは長い曲だ。
当然詩の内容も難しい。

「ねぇあんた」では、
胃腸の弱い男は長生きしない、野暮で無口な男は出世をしない、
という歌詞の部分で笑いが起こる。
全体を通じた意味が理解出来ていなくても、
胃腸の弱い男は長生きしないという事は理解してくれているのだ。

「我が麗しき恋物語」を歌う前に、彼が食道癌になった時の話を
している。
そのためか、夫から病気を告げられて主人公がビックリする内容の時に、
うんうんと深く頷く人が多く、私は歌いながらそれにビックリするのだ。

「愛の讃歌」では、ピアフとマルセルの話をするが、
少し脱線して、ピアフは若い才能のある男性歌手を愛人にして、
立派な歌手に育てるのが楽しみだったと話した。
「羨ましいですねー。良いなぁ、私もやってみたいもんです。」と言ったら、
患者さんから、「大丈夫!まだ行ける!」と掛け声がかかり、
皆が手を叩いて笑っている。

ここではどんなことを感じて、どんなことを口にしても誰も咎めないし怒らない。
それどころか、演者の私が嬉しそうに、
「本当ですか!!まだ行けますかね??ありがとうございます。楽しみが増えちゃったなー!」
と反応を返すわけだ。
全面的に受け入れられるのだと実感してもらうのも、
このコンサートの大事な目的の一つだ。

このコンサートを経験させてもらって、
認知症の患者さんって酔っ払いに似ていると思う。(笑)
お酒天国というコンサートでも、コンサートが進んで行くうちに、
お客さんが酔っ払い、思いがけない掛け声をくれることがある。
もし、こちらが面白がって返せれば会場は大いに和み、
私が上手く返せなければ白けてしまう。

アンコールは「喝采」
アンコールに対してお礼を言って、
「私は大酒飲みなので、コンサートの後はアンコールじゃなくて、
『アルコール』の声が掛かるんですよ!」と言ったら、
患者さんから「アルコール!」の掛け声が。
これにはビックリした。
(先生方も職員さんもビックリしたそうだ。)
「やっぱりアルコールじゃないと!元気が出ちゃいました。」と返したのだが、
もしかして私は25年以上かけて、酔っ払いの皆さんのお力を借りて、
この活動をするために歌手になったのかも知れないと真剣に思ってしまった。
間髪いれずに上手に返すって、そんなに簡単じゃないもの。

「喝采」にはちょっと嫉妬心を感じる。
患者さんも家族も、一緒に歌うんだ。
それまで反応の無かった人が、タイトルを聞いただけで突然目を輝かせたりする。
思う事がありすぎてまとめられないや。
今回も大盛況!!!

前田さん、美香りん、
仙台富沢病院の皆様、お手伝い下さった情動療法協会の関係者の皆様、
そして何より、ご来場下さった皆様、
これからも精進いたしますのでどうかよろしくお願い致します!!!!

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プロフィール

♪♪~玲~♪♪

Author:♪♪~玲~♪♪
夏川玲のブログへようこそ。

1985年にキングレコードから
「ジレンマ・男と女」でデビュー。
その後、俳優森川正太とのデュエット
「ラブアゲイン・別れましょう」発売。
ラジオDJ、ナレーション、司会など
活動の幅を広げてきた。
2011年には徳間ジャパンより、
山口洋子作品
「トワイライトレイン・さらり」を発売。

お酒と犬をこよなく愛する。
趣味は料理。呆れるほどの凝り性。

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